1778年、イギリスの探検家キャプテンクックがハワイ諸島を発見するまで、ハワイはどこの国とも交流しない孤立した平和な島だった。
豊富な水と食物。豊かな自然、常夏。この楽園を権力者たちが放っておくはずはない。
白人に奪われたハワイが現在のハワイである。
ハワイ王朝最後の女王、リリウオカラニが兄のカラカウアから政権を引き継いだ時は、既に王国は崩壊寸前だったという。1800年代後半にはアメリカ移民を中心に王政廃止とアメリカ合衆国への併合を求める声が高まっていたからだ。
彼女はあきらめず、ハワイを守ろうと闘い続けたが、結局女王を廃位させられ、自邸に幽閉されその生涯を終えた。
リリウオカラニが幽閉中に作った歌があの有名な『アロハ・オエ』。祖国を想う、郷愁が満ち溢れた美しい曲である。
甘い香りが私に帰ってくる
過去の思い出が鮮やかによみがえる
親しき者よ、おまえは私のもの おまえから真実の愛が消え去る事はない
さようなら貴方 さようなら貴方
木陰にたたずむ素敵な人
別れの前に優しい抱擁を
豊かな自然に恵まれたハワイ。もともとハワイアンには所有するという考えはなかったという。
人々も植物もあまりにも純粋で弱かったのかもしれない。